南飛騨健康学習センター 設計コンペにて入賞

南飛騨健康学習センター 屋根のあるデッキから 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

風景と身体の響きあい

使用される材料や工法、棟と棟、内部と外部、周囲の環境とのやり取り、そこで経験される身体への働きかけ、そのすべてが風景の一部なのだ。

これらが豊かに、そして力強く響きあっていることに気づいたとき、訪れた人は、自らの身体・からだ・気持ちを新鮮な驚きや感性で意識しなおす。

そのような建築の場を提案した。


南飛騨健康学習センター
計画案 / 健康学習センター
木造 / 2階建て / 岐阜県下呂市 / 2001 / 設計コンペ応募案
設計:小形 徹 * 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所
健康学習センター設計コンペ 入賞


南飛騨健康学習センター 配置・平面計画 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

岐阜県の萩原町で行われた南飛騨健康学習センターの設計コンペに応募し、入賞となった計画案です。敷地は、山間に既存の民家などが点在する地域で、その中に健康を学ぶための施設を計画するというものです。

私たちは、施設全体を4つのステージに分け、それらを“にわ”や、屋外空間、屋外通路・スロープなどを介して繋げ、それぞれのブロックを今後改修され、活用されていく周囲の既存の民家のスケール感の連続として扱います。敷地と配置計画の関係を工夫することによって、最小限の造成で豊かな場所をこの敷地に発見することを可能にしています。

各棟とも主構造は木造で、屋根はシンプルな切妻、ジンクにより屋根を葺きます。その表情は時と共に落ちついた風合いになってゆきます。外壁は地元産の杉や檜で覆うことを考えました。屋根も外壁も時間と共にその表情を変化させていき、風景の中になじんでゆくと考えているのです。

南飛騨健康学習センター 断面・立面計画 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

< 中央棟 >
木れんがが敷き詰められたアプローチを進むと、
敷地中段のレベルに設けられた中央棟の入口に至る。
ここがこの施設全体のエントランスである。
ラウンジは、実践道場・図書室・会議棟それぞれへの
アプローチの基点となっている。
また、そこから、そのまま床が連続し、
屋根がかけられた、デッキへとつづく。
一階部分にラウンジ、トイレが設けられ、
二階には、事務室及び研究室等が設けられている。

< 会議棟 >
中央棟から、外部となったスロープを下っていくと、
会議棟のテラスに到達する。
そこから、中会議室及び小会議室へは外廊下を通って入っていく。
中央棟と会議棟により挟まれた庭は、
それぞれの会議室のための前庭として配されている。
夏の西日を和らげるために、会議棟の西面には
外壁より離された独立格子が設けられ、
つる性植物が、植栽される。

< 実践道場 >
緩やかな外スロープを通り抜けると、
実践道場前室に至る。実践道場には、
大きく開け放すことが可能な引き戸が、
北側及び南側に設けられている。
また、天井には採光と換気のために、
連続した天窓が導入されている。
屋根の構造は、集成材とスチールロッドによる
張弦梁により、幅16mのスパンがかけわたされている。

< 図書室 >
図書室は、ラウンジから直接入ることが
できるようになっており、その室内は敷地の勾配に沿って、3つステップに分けられている。
図書室に沿った、実践道場へのスロープとの間は、
書架により仕切られている。
また中庭側には、 連続した窓が設けられている。


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小形 徹 * 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所
Toru Ogata * Yumiko Ogata + Prospect Cottgae Architects