東京都 府中の家 バリアフリーと適切な断熱補強で実現した老夫婦のためのリフォーム
穏やかな暮らし
老夫婦が住む築35年ほどの軽量鉄骨造2階建て住宅の1階部分をスケルトンリフォーム。
床下にコンクリートを打ち湿気対策を施し、壁は断熱仕様とし、窓を断熱サッシにして、不要な壁を取り去り全体をバリアフリーに、暮らしやすい家へと再生。
明るい気持ちで生きてゆくための家。
府中の家
軽量鉄骨造 / 住宅 / スケルトンリフォーム / 東京都府中市 / 2009-2010
設計・監理:小形 徹 * 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所
施工:分離発注方式 (小形祐美子 + チーム山本)
東京都府中市に建つ築35年ほどの軽量鉄骨造2階建て住宅の1階部分をスケルトンリフォームしました。建主はこの家にずっと住んできた老夫婦です。この後の時間をストレスなく楽しく暮らすための家づくりでした。
既存の建物は、湿気が多く断熱も施されていませんでした。仕上も暗い色調をベースにしたものだったので、これらを改善し、明るく暮らしやすい、美しい住まいとなるよう心がけました。
既存の内壁や床をすべて撤去し、骨組みの状態にしたうえで、構造部の状態を確認しました。その後、地面全てに防湿シートを敷き詰め、その上にコンクリートを打ち、床断熱を行いました。壁面及び屋根に面する部分もすべて断熱層を設けました。全居室および洗面脱衣室には温水式床暖房を導入し、大きなサッシは全て電動シャッターのついたペアガラスのサッシを設置しました。
平面計画では、キッチンの位置を移動して広々と使いやすくし、洗面脱衣室とトイレをまとめ将来に備えます。夫婦の寝室をそれぞれ設け、これらの部屋がバリアフリーでつながるようにしました。出入りに使用する建具は全て引戸とし、握らなくても開閉しやすいように取手を工夫しています。
リビング・ダイニング・キッチンの収納にも手摺をつけ、なるべくいろいろなところに手をかけることができるようにしています。キッチンのシンクや調理台まわりは既製品としましたが、吊戸棚や収納棚は造作家具として製作しています。必要な収納を必要な分だけ、使いやすい高さと奥行きに設えました。
明るめの色彩計画とし、晴れやかな気持ちになっていく空間となりました。
玄関の土間から床にあがる部分には、低い段をあらたに設けて身体への負担を軽くしました。
正面につけた手摺をつたってあがれます。
靴箱や窓は既存のものを再利用しました。
手触りのよい手摺を廊下全体に取り付けました。
また引戸の取手は、力がなくても開け閉めしやすいように工夫しています。
寝室は夫婦それぞれに。
大きな窓はサッシも取り替えています。小さな窓は既存のものをそのまま使いました。
古いガラスの質感がとても美しいです。
心地よい机と本棚もつくりました。
元々別々だった洗面脱衣室とトイレを一室につなげました。
多目的に使える大きな洗面台を設置しています。便器周りにも手摺を設置。使いやすい可動棚なども設けています。洗面台前の窓の半分は引戸式の鏡です。
採光を確保して明るく使いやすく、また必要であれば介助もしやすい、気持の良いユーティリティースペースになりました。
一階の内装を解体してスケルトン(骨組み)に戻したうえで工事を行ないました。
軽量鉄鋼造の構造部は築35年以上たっているにも関わらず健全な状態でした。地面がそのまま現れていたので、防湿の上コンクリートの床をつくり、その上に束を立てて一階の床を張りました。
外壁については断熱材がない状態だったので、断熱工事を行なってから内装工事を行ないました。
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