東京都 稲城の家 静かな光に満たされる木造二階建ての住まい
光の雲
内部空間を静かに光が満たし、よぎり、消えてゆく。
それはあたかも光の雲のよう。
この計画の途中プロセスや図面・スケッチ、模型写真などを以下のページに公開しています。
すまいの計画50選 No.21 光に満たされる高天井の上品な黒い家
稲城の家
木造 / 2階建て / 住宅 / 新築 / 東京都稲城市 / 2007
設計・監理:小形 徹 * 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所
構造:山崎亨構造設計事務所 / 設備:波田野建築設備設計事務所 / 施工:大勝建設株式会社
里山の風情を残す高台の敷地に建てた木造二階建ての家です。
二階に設けた主室への採光は主に高窓から行います。
天井の高さは2.9m。高窓から穏やかな陽光が室内に入ってきます。
北側の横長窓からは山裾の様子や、稲城の街がよく見えます。
一日をとおして光の移り変わりが美しい、静かな光に満たされる室内です。
正面の壁に設けたアルコーブには、TVやオーディオが設置され、それに連続して奥行きのあるベンチがあります。アルコーブのある壁の裏側は夫用の趣味の部屋です。ベンチの足元には、通風用の小さな引戸が設けられ、階下から心地よい風がリビングに入ってきます。
横長窓に沿った長いカウンターの先、リビングダイニングの奥にあるPCコーナー。リビングの気配を感じながらも、同時に作業に集中できる、適度にまわりを囲まれた居心地のよい空間です。机の上に設けた棚と背後のカウンター下に設けた棚で、たっぷりとした収納量を確保します。
キッチンの調理台は既製品のものを据え付けました。一方、その背後の収納は造作家具として製作しています。光にあふれる明るいキッチンです。キッチンから続くユーティリティー用のバルコニーを設け、洗濯物などを干せるようにしました。
玄関の先の階段から、二階の明るい光が静かに降りてきます。
玄関に隣接して設けたシューズインクロークから寝室脇のウォークインクローゼットに直接出入りができるようにしました。夏季は玄関脇のスリット窓から階段の途中の小さな引戸を介して心地よい風が二階に抜けていきます。
南東側と南西側に隣地の建物が接近して建っており、採光を確保するため、主たる室を2階に配し、高窓を設けて南側からの光を室内に導きました。北西側の横長窓から、公園や山裾、そして遠く稲城の街をのぞむことができます。
外壁は、黒のような濃紺のような塗装ガルバリウム鋼板としました。光の変化に応じて、色合いが変化する上品な表情を纏います。
楽しそうに暮らされているようです。
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