さいたま市 浦和の家 2×4メーカーハウスの内部をリフォームした住まい

浦和の家 キッチン1 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

吹抜を介してつながる、若い夫婦と元気な四人のこどもたちのすまい

築10年ほどの比較的新しい住宅を購入し、それをリフォームしたいとのことだった。
元々この家は仕事を引退した老夫婦が住んでいた。家族構成はもちろん、必要とする部屋も異なるし、すまい方もまったく正反対。というわけで、リフォームにあたっては、内部空間の捉え方・つながり方を組み立て直すことが必要だった。

それを担ったのが一階と二階をつなぐ吹抜けである。もともと吹抜としてはあったのだが、二階においてはそれが壁で区切られ独立したものになっていた。
私たちはこの吹抜を二階にひらき、吹抜の下にキッチンを設けることによって、一階と二階をひとつづきの空間として再構成した。

吹抜を介してつながる生き生きとした暮らしを実現する魅力的なすまいになった。


この計画の途中プロセスやスケッチ、CGなどを以下のページに公開しています。
すまいの計画50選 No.49 リフォームで実現する若い夫婦と四人のこどもたちの暮らし


浦和の家 2×4 住宅のリフォーム
木造(2×4)/ 2階建て / リフォーム / さいたま市浦和区 / 2016
設計・監理:小形 徹 * 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所
施工:鏑木工務店


浦和の家 キッチン2 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

浦和の家 キッチン3 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

浦和の家 キッチン4 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

キッチンに隣り合って一方はダイニング、もう一方はスタディーコーナーとなっています。吹抜けの先、2階にリビングがあります。吹抜けを介して1階と2階がつながり、キッチンを介して家族の暮らしがつながります。吹抜けの高窓から明るい光がおりてきます。その光の下がキッチンです。

キッチンの壁には模様入りのタイルを使いました。
タイル一枚ごとに少しずつ異なる表情があり、それがとても良い雰囲気を醸し出しています。

収納棚の扉と換気扇の前板にはホワイトスプルスの3層パネルを横使いで用いています。
節や木目がきれいに出ています。塗装は白いオスモカラーで仕上ました。

浦和の家 吹抜1 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

吹抜けを見上げます。
吹抜けを囲い込んでいた壁を撤去し、吹抜けを二階の空間とつなげました。階下のキッチンから二階リビングの気配を感じることができます。またリビングではキッチンから上がってくる音や匂いを感じることができます。もちろん覗けば食事の準備をしている様子などが見えます。

浦和の家 吹抜2 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

浦和の家 雰囲気 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

浦和の家 キッチン5 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

キッチンに隣接した書棚の背後はパントリーになっています。
書棚の下をくぐって入ると、内部はパントリーになっています。書棚に隣接して掲示板を設けました。皆の予定を把握するための磁石もつく掲示板です。

キッチンはシンクとIHヒーターとを分けたⅡ型キッチンです。
通路巾も十分確保しました。若いご夫婦の四人の子育てには、双方のご両親も協力しています。そんな理由で、大人二人が一緒に作業できる、余裕のあるキッチンにしました。

浦和の家 吹抜3 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

浦和の家 二階ホール 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

二階に設けたリビングです。
リフォーム前は吹抜けに面した部分は壁でしたが、これを取り払い、吹抜けと連続する空間となるようにしています。また以前、リビングとした空間の一角には、屋根と壁に囲まれ、そこに開口が開けられたバルコニーがありました。確認申請書を調べると法規上は室内扱いとなっていましたので、壁を取り払い、開口部だった部分に窓を取り付け、全体をひとつの部屋となるようにリフォームしました。

吹抜けの向こう側は腰壁状の既存の書棚です。 書棚はL型に二方向あったのですが、一方は撤去し手すりに変え、もう一方を残して、その上に手すりを取り付けました。書棚には新たに引戸も設えました。

浦和の家 二階吹抜1 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

二階から見た吹抜けです。
吹抜けに面した高窓から明るい日差しが室内に入ってきます。そしてその光が階下のキッチンへ降りて行きます。
この吹抜けを介して新しい空間と元々ある空間がつながっていく様子がわかります。そしてそれは空間だけではなく、光や音、声や気分、気配といったものもつないでいくのです。

浦和の家 二階吹抜2 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

手すりの縦桟は、よく見ると上が細く下がほんの少しだけ太い、そんなデザインになっています。わずかなことですが、それによって独特の味わいが生まれてきています。

浦和の家 洗面室 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

浦和の家 トイレ1 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

洗面室もリフォームしています。
2ボウルの人造大理石洗面カウンターの下には、長い棚を設けました。カウンターの上には、大きな鏡を家具屋さんで見つけて取り付けています。緑色のモザイクタイルと天井の薄水色が呼応しています。洗面ボウルにはたっぷりとした容量を持つものを選びました。今後こどもたちが成長していく過程できっと役に立つと思います。2ボウルの洗面カウンターのある洗面室は、建主ご夫婦が是非とも実現させたかったものでもありました。
一階のトイレは、階段下の物入れだった部分に新たに設えました。手洗いの周りは青い小さなモザイクタイルで仕上ています。

浦和の家 トイレ2 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

二階のトイレは青一色。便器や手洗いの位置はそのままに、機器を取り換え、便器と手洗いの間に仕切り板を設け、鏡を新しく設えました。

浦和の家 ウッドデッキ 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

広々としたウッドデッキのテラスを新しくつくりました。
元々縁側のようなデッキはありましたがそれを撤去してウッドデッキをつくり、また日よけ・雨よけとして伸縮式のオーニングをとりつけました。毎日の洗濯物を干す場所ではありますが、お茶を楽しんだり、夜風に吹かれて一杯、といった楽しみを提供してくれる場所にもきっとなることでしょう。
仕上にはオスモカラーの外部用を用いて白く仕上げました。東に向いているウッドデッキなので、午前中の爽やかな光がここで反射して室内に入り込んでくる、そんなことも意図しています。

浦和の家 リフォーム工事中の様子 横須賀の設計事務所 小形徹 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所

工事中の現場の様子です。
工事も順調に進み、キッチン周りの造作工事やタイルなどの工事が終わっています。後は細部を仕上て、クロスを張っていけば完成になります。
日々変わっていく現場を見ていくことは楽しいことです。私たちは設計どおりに工事がなされているかを確認すると同時に、施工する方とも話し合いながら、円滑な現場運営と質の高い工事を目指して、工事監理を行ないました。

途中、幾多の変遷を経て、実施案が決まり工事となりました。 解答は決してはじめから決まっていたものではありません。建主さんご夫婦と私たちが連歌のようにやり取りを繰り返すなかで、少しずつ案を修正し進化させ、自分たちが暮らしたいすまいとはどのようなものか、という思いをゆっくりと醸成することによって得られたものなのです。壁の色やタイルの色、照明器具の選定などについては、私たちもサポートしましたが最終的な判断は夫婦で行いました。

ひとつひとつ、自分たちのくらしに照らし合わせながら、理解し、学び、そしてイメージする、そのようなプロセスを経ていくこと。そのことが大切だと私たちは考えています。



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小形 徹 * 小形 祐美子 プラス プロスペクトコッテージ 一級建築士事務所
Toru Ogata * Yumiko Ogata + Prospect Cottgae Architects