その向こうにある、その向こうにいる
そんな未来や気配へつながってゆける場所をつくること。
浦和の家 二期工事
2×4のメーカーハウスをリフォームした浦和の家でしたが、こどもたちもあっという間に大きくなり、それぞれに部屋が必要になってきたということで、それまで家族全員川の字で寝ていた大きな部屋を三人の姉妹のための3つの独立したゾーンに分け、さらにウォークインクローゼットを確保するリフォームを行いました。
既存の全館空調システムによる空気の流れを維持しつつ、お互いの気配を感じながら、同時にそれぞれが自分の個性を大切にしてゆけるような場所づくりを心がけました。
さらに別のもう一部屋を男の子のための部屋に。引き戸はグレイッシュなミントグリーンに塗装しました。
記:2024年04月
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粗い壁と、くぐりぬけ
横須賀の家 鴨居
横須賀市鴨居に建設した家。2階が主階のこの家の内部は、木の柱や梁そして構造用合板を現しとした粗い壁と、仕上げられた柔らかな印象を生み出す壁とで囲まれています。また、明るく広がりのある室内と仄暗く落ち着いた室内とを普段の生活の中で行き来するように計画されています。
この家の住まい手は、壁をくぐりぬけながら、相反する仕上げや光や雰囲気を経験しながら、そこで日々の暮らしと建築を生きてゆきます。そしてこの家と共に豊かな時をつくりあげてゆくでしょう。
記:2024年03月
暮らしと詩情
世田谷区 深沢の家
窓から手をのばせば隣の家に届きそうなくらい住宅が密集したエリアに建てた木造三階建ての家ですが、室内はのびやかで、すがすがしい空気にあふれています。どこかまちかどのような雰囲気もあり、そこに人の気配が見え隠れするのも、この家を心地よく感じる理由かもしれません。
一階に設けた小さな脱衣兼洗面コーナーは、必要に応じてまるく囲うカーテンで仕切ることができるようになっており、カウンターと収納を造作でつくりました。二階に設けた台所のキッチンカウンターの長さは4m、こちらも造作家具。建て主さんが収納したいものの大きさを丁寧に調べて、それぞれがそれぞれの場所にきちんと収納できるように設計しています。建て主さんがワトコオイルを自ら塗装し、愛着の持てるキッチンとなりました。
暮らしの変化に合わせて、少しづつDIYでいろいろ整えていると聞いています。
素敵な暮らし方ですね。
記:2024年02月・01月
まちかど
横須賀の家 追浜
少し前にこの家を訪ねた時に、能登仁行和紙で仕上げた壁が随分としっかりしてきたような印象を受けました。
しっかりしてきたというのは、具体的にはその質感が引き締まってきたように見えたということですし、別の言い方をすれば空間や家そのものと一体化してきたということです。
次の春を迎えると竣工してから丸三年ということになりますが、建物としての生はまだ始まったばかりです。このあともゆっくりと時間をかけ、家として深まってゆくこと、楽しみです。
記:2023年12月
光のシークエンス
横須賀の家 久里浜
現在発売中の季刊雑誌「住む。」2023年 秋 87号 に掲載されている
企画「住処に住む。」第四十七回のコーナーに紹介していただいています。
静かな場所で、いつか見た風景
大切にしているのは、
そこに生きる人にとって親しみやすく穏やかで、
ふっと 気持ちをどこかへいざなってくれる すまいの風景。
求められる性能や機能を確保し、
使いやすく過ごしやすい居場所を丁寧に提案。
その過程を家族と共有しながらかたちづくっていく。
大切なすまいの風景を一緒に考えてみませんか。
記:2023年11月
まちかど
横須賀の家 追浜
この家の居間や台所は2階にあり、切妻屋根の外観がそのまま室内にあらわれた一室空間です。そこに珪藻土入りの能登仁行和紙で仕上げた立体的な間仕切りを設けました。
正面は客用洗面室、照明器具のガラス傘は太田潤(福岡)によるものを建て主さんが手配して取り付けました。間仕切りの上はロフトとして使うことができます。薄灰色の天井をつたう柔らかな光が、間仕切りの向こうに設けたちいさな部屋とこちら側とを緩やかにつなげてゆきます。
記:2023年10月
光のシークエンス
横須賀の家 久里浜
吹き抜け下の室内の様子です。
吹抜け上部の東面には高窓を、地窓を東南の角に、南面は掃き出し窓としています。表情豊かな光が一日をかけてゆっくりと室内を移動してゆきます。その光の穏やかな変化に気がつく時、ひとときここで暮らす人は、どこか遠くの場所へと思いを馳せているのかもしれません。
収納棚とベンチ、そしてテーブルはマツの三層パネルで制作しました。
記:2023年9月
光のシークエンス
横須賀の家 久里浜
玄関までの様子です。
外構のざっくりとした扱いと外壁の銀色の波板が庭まわりの雰囲気をつくってくれています。
最初は少し高い板塀でアプローチを構成していたのですが、少しずつ手を入れてきて今のような形になっています。ハツユキカズラを中心とした地被植物とボウガシ・オガタマのによる植栽はどこか気楽な佇まいで、通りを行く人と庭や家とを程よく関係づけています。
記:2023年8月
光のシークエンス
横須賀の家 久里浜
外壁はガルバリウム鋼板小波、仕上はシルバーの素地のまま、屋根も同じとしています。土留め壁や塀は経年変化が美しい枕木や杉板で構成しています。この二つの異なる仕上材料の並置によってつくりだされる雰囲気が、穏やかな住宅街に馴染んでいます。住み始めて28年をすぎた現在の様子です。
記:2023年7月
まちかど
横須賀の家 追浜
ふわっと浮かんだ洗い出し仕上のステップを上った先は大谷石の玄関ポーチ。赤みのある茶色いドアが玄関、それに向かい合う黄色いガラリ戸(その裏には土間用サッシがあります)をあけると、ポーチからアトリエに直接出入りできます。焼杉の壁面はこの玄関アルコーブの奥まで続いています。そしてそれらを外壁から少し出っ張った横長の庇がくっきりとまとめあげています。
記:2023年6月
まちかど
横須賀の家 追浜
谷戸の込み入った住宅街の一角、すぐそばを小さな川が流れ、古い家と立て替えられた家とが混然となりながら、山裾の木々に囲まれ穏やかな一体感を作り出している、そんな周辺環境のなかにこの家は建っています。
外壁は薄いベージュ色の平滑な窯業系サイディングで構成し、駐車スペースを確保するためにセットバックした一階の外壁面のみを黒々とした焼杉の竪張りとしました。
記:2023年5月
粗い壁
横須賀の家 鴨居
ポーチの下をくぐりぬけると、木々の広がりに向かって開いたコンクリートの床が、山の斜面から突き出るように続いています。以前ここに住んでいた方が築造したものですが、構造設計事務所に調査を依頼し、この床に極端な荷重を掛けない限り問題はないという判断を得て、建て主さんが車を停めたり、作業場として使っています。
この家の一階にはDIYのための工房にもなっているビルトインガレージがあり、そこへは二方向から入れるようになっています。一方は道路側から直接、もう一方はこの床側から、コンクリートの床とビルトインガレージがぐるっと回れるように有機的につながっているのです。
下から見上げれば、2階の大きな窓から室内の粗い壁が見えています。
記:2023年4月
粗い壁
横須賀の家 鴨居
細い路地の突き当りにこの家は位置しています。
周囲の建物や雰囲気に呼応しながら、そっとそこにはめ込まれたかのように建っているのです。
ポーチの下はトンネルになっていて、その向こうに木々の広がりが続いている様子が見えています。
チャコールグレイの外壁は陰影のなかに後退してゆくようでもありますが、そのなかに白い窓枠が浮きあがって、爽やかな若々しさや聡明さというものを印象付けています。
記:2023年3月
重なり合う場に浮かぶもの
桜が豊かな公園の一角に位置するカフェレストランの計画案。
地理的・歴史的な文脈が重なり合う場所に建つ建築であり、同時に、現在は人々がゆったりと散歩を楽しむ、そんな場にどのような空間をつくるべきか、と考えて提案したプロジェクト。規模はとても小さいけれど公共の場をつくりだすものでもあります。
雁行して配置された二本のヴォールト屋根の下はカフェレストランとして使われるけど、その使命を終えた時、内部は取り払われ屋根と壁だけが残されて、街や歴史や人々を繋ぐ門として残り続ける・・・。そんなことも想像しながら設計しました。
記:2023年2月
週末ガレージ/砦
冬の景。
計画した当時は、平日と週末、都市と農業、大地と空、そして人と自然の結びつきを豊かなものにしていくものとして考えたのだけど、昨今の状況を振り返えれば、そんなのんびりしたことではなくて、むしろ人はこれからをどのようにサバイバルしてゆくのか、その時建築は何をなすのか、このことを考えさせるプロジェクトだったのかもしれない。
記:2023年1月
木島平村役場・村民会館プロポーザル
おおげさでなく ちょうどよい
そんなふうに考えて、木造とRC造を用い、外壁を地場産のスギで仕上げた、木島平の未来の風景をつくっていく建築の提案を行いました。
風景や風土共に建築が生きてゆく、ということはどのようなことだろう、そんなことを想像しながら。
記:2022年12月
稲田コレクティブプラットフォーム
福島県須賀川市稲田地区に「未来に生き延びるための地域デザイン」として、四つのNPO活動とそれを支えるための分棟形式の建築を提案しました。
蓄電型の太陽光発電を積極的に採用し、建物の屋根は全て平らにしてその上に太陽光発電パネルを設置する計画としています。また自然換気や通風を生かし、庇等を活用して、断熱性が高く小さなエネルギーで維持できる建物としました。加えて温泉の排熱を利用した、ヒートポンプ式の冷暖房を取り入れています。
外部の仕上は福島県産の厚い杉板。その内側に本来の外壁があり、それを厚い杉板が、熱や日射、あるいは風や冷気から内部空間を保護します。少しずつ風景に馴染みながら、雑木林や土地そのものと一体化していくでしょう。
それぞれの建物は、外に深い庇を差し伸べ、あるいはその下でおしゃべりができるようなアルコーブを持っています。多様で豊かなストーリーが生まれる場でありたいと考えました。
記:2022年11月
岬の先の家 / 風の歌を聴け
その家は、岬の先の茂みをぬけたところで、静かに建っている。
間口は一間半ほど、4.5m程の壁の上に半円形がのっている。高さはあわせて6.3mぐらい。正面向かって右端のほうに小さな木製のドアがついているが、その面全体が細長い大きな扉のようでもある。
中に入ってみると、奥行き4間ぐらいの細長い部屋になっている。天井は半円形のかまぼこ型。ギャラリー、あるいは小さな礼拝堂のような雰囲気だろうか。大きくもなく小さくもない正方形のガラス引戸が、一方の壁には三連、反対側の壁にひとつついている。印象としては幅が狭くて圧迫感があるいう感じではない。
外からの光や木々の影のゆらめきがこのガラス引戸から入ってきて、それがコンクリートのたたきの床に反射し、壁や天井をほんのり照らし上げている。がらんとはしているけれどけっして寂しい感じはしない。視線はガラス戸からその先の木々の間に抜けていき、適度に包まれた静かな部屋である。
奥の壁の真ん中には戸がついている。その先にも部屋があるのだろうか。左手には下のほうにおりる階段がある。水音がするので水場か何かが下にあるのだろう。右手はガラスの小さなドアがあり外に出れるようになっている。その向こうに離れがあるようだ。
外に出てみる。幅の狭い階段を数段下がって細い通路をいくと、その先に正方形の小さな建物がある。幅も高さも一辺が二間程度だろうか。その向こうに木製のやぐらのようなものが見えいてそれも気になるけれど、とりあえずこの建物の中に入ってみる。なかは八帖ほど。床に座り込んで窓から外を眺めると、壁のあちこちにあけられた窓の先にちらちらと海と水平線がみえる。そうだ岬の先に来ていたんだった。すこし海の上に浮かんでいるような気にもなる。
外の通路に戻る。途中に梯子段のようなものがあったことを思い出して、それをおりてみると、木製の橋のような場所に出た。この橋は最初に入った部屋や離れに対して少し向きが斜めに振られているようである。離れの下をくぐってそのまま進むと、火の見やぐらのような木の格子でできた塔の下にでた。見上げれば上へあがる梯子がついている。
梯子をしばらくのぼると畳2枚ほどの小さな板張りの床のあるところに着いた。木の格子で囲まれてはいるけれど、それでも結構高いところなのですこし怖い。遠くに水平線を見ながらきらめく光に包まれるような感覚に満たされる。海からの風は少し冷たい。それでも風の歌を聴きながらしばらくの間そこに佇んでいた。
岬の先の家「風の歌を聴け」
原案制作:1985年頃 ドローイングとテキストは再制作したもの
記:2022年10月
品川の家
品川の家を計画していた時に、建て主さんとイメージを共有するために描いたスケッチです。
難しい敷地の状況や込み入った計画のいきさつへの応答、建て主さんたちの考え方や生き方との対話、具体的に可能な工法、費用の問題、とにかく沢山ある本やレコードやCDやその他さまざまなものへの対処など、考えなければならないことにきりはなく・・・。しかし、どこかでそれらをぐっと重ね合わせ、ひとつの状況や姿へと収束させていかなくては、建築にはなりません。
そのきっかけを掴むことができたのがこのスケッチだったような気がします。
ここでなにを成すのか、それを気付かぬ間に語りはじめていたのでした。
記:2022年09月
横須賀の家 追浜
ふと見上げると、ゆったりとした切妻天井の下で、木の柱、建て主さんが持ち込んだユーモラスな照明器具、柔らかな光を放つ薄灰色と薄桃色の雁行する壁、天窓や窓からの光などが、軽やかに戯れている、
そんな横須賀の家 追浜 2階の天井の様子です。
記:2022年08月
深沢の家
東京都世田谷区深沢の住宅密集地に建てた木造三階建ての家です。旗竿型の敷地ゆえ周囲には隣家が迫っています。そのような条件の下で、いかに快適で気持ちの良い室内空間を確保するかが大切な課題となりました。この写真は三階の子供室とそこに至る階段室を撮ったもの。斜線制限や日影規制から規定された屋根勾配がそのまま天井として内部に現れています。木造三階建ての住宅には様々な法規制がかかり、とかく雰囲気が重くなりがちですが、高窓からの光が二階に設けたLDKまで届くように工夫するなど、この家では明るく軽やかで、気持ちの良い室内空間が実現されています。
記:2022年07月
横須賀の家 鴨居
タモの集成材で造作した階段手摺です。
柔らかなグレーの壁面に静かに浮かび上がるような、そっと手を掛けたくなるような、そんな手摺でありたいと思いました。階段は直角に曲がって上って行く形式なので、どうしても手摺に段差ができてしまいます。この家では無理にそれを繋がずにおさめることにしました。改めて考えてみれば、この家の他の部分、例えば仕上げられた壁面と構造をそのまま現した壁面を同時にそこに存在させる、そんな考え方と連続していたのかもしれません。
記:2022年06月
稲城の家
里山の風情を残す高台の敷地に建てた木造二階建ての家です。
二階に設けた主室への採光は主に高窓から行います。天井の高さは2.9m。高窓から穏やかな陽光が室内に入ってきます。北側の横長窓からは山裾の様子や、稲城の街がよく見えます。
一日をとおして生き生きとした光の移り変わりが美しい、静かな光に満たされる室内です。
記:2022年05月
横須賀の家 追浜
横須賀市追浜に建てた家。
表情豊かな肌理を持つ能登仁行和紙で仕上げた壁に、自然光が上方から、また時に床に反射して、そこに様々な表情を現象させます。そして、そこにあなたがどこかの「まちかど」で出会った風景が浮かび上がるのです。
そんなことを想像しながら設計しました。
電動開閉式の窓を備えたトップサイドライトは、自然光を導入し風を生みだす役割も担っています。
記:2022年04月
横須賀の家 鴨居
横須賀市鴨居、馬堀海岸方面や浦賀水道を望む高台の細い路地の突き当りにこの家は建っています。トンネルのようなポーチをくぐりぬけると空へ広がる北側斜面に突き出たコンクリートのスラブ。設計の途中で外壁についてのイメージを建て主さんに聞いたところ、岩のような感じ、鴨居の山に突き出た岩石!とのことでした。岩石というわけにはいかなかったけれど、硬質で不思議な色合いのサイディングを建て主さんと私たちでショールームで随分とねばって選んだことを思い出します。下から見上げれば、2階の大きな窓からその向こうにある高窓と南の空が見えています。
記:2022年03月・02月
深沢の家
世田谷区深沢に建てた家。四方を囲まれた密集地の旗竿敷地に建つ木造三階建ての家です。高窓や天窓などの配置・大きさ・形状の工夫によって、明るく過ごしやすい室内になりました。この家には、路地や小径、その先の開けた中庭を散歩しているような心地よさがあります。張り出した床や柱なども、バルコニーや軒先のように思えてくるのです。
記:2022年01月
横須賀の家 久里浜
横須賀市久里浜に建てた家。1階の居間・食堂です。1995年に竣工して以来、内部の家具や家電や照明器具などはその時その時で移り変わってはいますが、建物そのものには手を入れていません。正面性を大切にしていますが、同時に、窓や造作家具の位置、開口部の高さなどが微妙にずれあい呼応しあうことで、穏やかな流れのような雰囲気となるよう配慮されています。季節やその時々に応じて変えているカーテンや家具の配置、そして光の具合などが、内部と外部とを関係づけ、その表情をさらに豊かなものにしてゆきます。
記:2021年12月
横須賀の家 追浜
横須賀市追浜に建てられた家。2階の居間・食堂です。正面の飾棚の向こうが台所。穏やかな灰色の壁や天井に包まれるように、シナ合板で製作した家具や能登仁行和紙で仕上げられた雁行壁面が続いてゆきます。私たちはこの空間を「まちかど」と名付けました。その先のかどを誰かがふっと横切った、そんな気がしたのです。
記:2021年11月
横須賀の家 鴨居
横須賀市鴨居に建設した家のキッチン。建て主さんはとにかくシンプルなキッチンを希望していました。そして使いながら必要な収納などをDIYで自ら付け加えてゆくことを考えていました。建て主さんの希望と予算のバランスから、シンクのついた少し大きめのアイランド型カウンターとガスコンロ・レンジフードだけがついた壁側のカウンターという構成に。天板のステンレスや機器以外は大工さんが現地で製作しました。コンロ前のタイルに反対側の窓からみえる空や木々が移り込んでいますね。明るく開放的で気持ちの良いキッチンです。
記:2021年9・10月
横須賀の家 久里浜
横須賀市久里浜に建設した家。久里浜の家の吹抜けに生気を吹き込むのは二つの高窓。そのひとつは東の外壁に位置する「黄色い窓」、そこを竹の竿で明ければ朝の新鮮な光が射し込んでくる。もう一方は、二階の書斎に面する「黒い窓」。この二つの高窓が、家の中にそして家の中で、さまざまなつながりや関係を生み出してゆく。
記:2021年8月
横須賀の家 鴨居
横須賀市鴨居に建設した家。仄暗く落ち着いた雰囲気の個室から明るく広がりのある食堂をみています。粗い構造用合板の壁や天井のなかに、柔らかな印象の壁紙や鮮やかな色のふすまが浮かび上がります。すくっと伸びた構造柱の足元にはTVが取り付けられる予定です。紙をくるっと巻いたような形のものは、建て主さんが選び抜いたドイツ製の照明器具。
記:2021年7月
横須賀の家 追浜
横須賀市追浜に建設した家のキッチンです。木製の引戸をあけると、食堂や居間とつながります。そしてずっと向こうの窓やその先の緑の木々にまで視線は伸びてゆきます。引戸の把手はNY近代美術館のコレクションにもなっている黒川雅之さんのGOMシリーズから。
記:2021年6月
横須賀の家 鴨居
横須賀市鴨居の高台に建設した住宅です。敷地は路地の突き当り。視界は門のようなポーチをくぐりぬけ、高台ならではの眺めの良い景色へと広がってゆきます。
記:2021年5月
横須賀の家 鴨居
横須賀市鴨居の高台に建設した住宅です。遠くの家並みを見渡すことができる室内は、木構造をそのまま現しとした壁によって二つの空間に分割されています。一方は大きな窓からの光で満たされ、もう一方では分散配置された小さな窓からの光が室内を浮かびあがらせます。この家の住人は、この壁を通過/くぐりぬけるたびに、新しい風景をそこに得て、そこを生きることができるのです。
記:2021年4月
横須賀の家 追浜
横須賀市追浜に建つこの家では、石川県輪島市の遠見和之さんが手漉きでつくる能登仁行和紙をさまざまな部分に張りました。 写真に見えているのは 珪藻土入りの土入り紙。漉き込む際に入れる珪藻土も焼成前と焼成後のものとでは色が微妙に異なります。その 土入り紙 が持つ豊かな表情を、さまざまに移り変わってゆく室内の光や明るさが浮かび上がらせてゆくのです。
記:2021年3月・2月
横須賀の家 久里浜
静かな光に満たされる白い部屋。
記:2020年12月
横須賀の家 久里浜
どういうわけかこの久里浜の家に居ついたしっぽの短いねこが塀の上の板の上でゆっくりお昼寝中。杉板の塀と杉足場板のウッドデッキをつくったのが2002年頃。台風で傷んだ部分などを修繕しながら、あちらこちらアップデートしながら今に至っている。
ねこのほうは、数年前にいなくなった。今思えばウッドデッキの上で窓の前に座ってこちらをじっと見ていたあれが「じゃあね・・」というあいさつだったのかもしれない。
そんな久里浜の家の庭の物語。
記:2020年11月
さいたま市 浦和の家 二期工事
さいたま市浦和区で進行していた浦和の家二期工事が完了しました。2016年に竣工した浦和の家(2×4住宅のリフォーム)に、四人の子どもたちのための部屋をあらためてつくるという計画です。全館空調システムの空気の流れを生かしながら、それぞれの子供たちの居場所をゆるやかに仕切り特徴づける、そんな空間をつくるプロジェクトでした。
記:2020年9月
横須賀の家 鴨居
横須賀市内に計画している住宅の内観スケッチです。高台の上に立地するため、正面北側の大きな窓からは、馬堀海岸方面の景色が良く見えます。内部は大部分を木の構造体や 構造用合板がそのままあらわれた状態で仕上げとします。納屋のような感じでしょうか。建て主は住みながら少しずつ自分の好みに仕上げていくことを楽しみにしています。
記:2020年8月
横須賀の家 鴨居
横須賀市内に計画中のプロジェクト。現在実施設計も終盤。居間・食堂の初期段階のスケッチ。立地する高台からは広々とした景色を望むことができます。
記:2020年4月